関電システムソリューションズ株式会社

導入事例

導入事例

データセンターサービス:象印マホービン株式会社様

廣瀬 洋史氏
象印マホービン株式会社
経営企画部部長 兼
システムグループ長
廣瀬 洋史

アウトソーシングは結婚のようなもの
信頼性はもちろん運用スキルを重視し決断

 保温・保冷技術を核に、常に先進的な技術を駆使し、ユニークな発想の炊飯ジャーや電気ポットなどを提供する象印マホービン。同社では、事業継続リスクを最小化するため、これまで自社で開発・運用してきた基幹業務系システム「メヌエット」を関電システムソリューションズのデータセンターにアウトソーシングした。これにより、セキュリティ対策、開発や運用の標準化など、懸案だった課題を克服している。

経営戦略と一体化した情報化戦略で投資効率を向上

 消費者の目線を大切にする「日常生活発想」というコーポレートスローガンを掲げ、電気ポットや炊飯ジャーなどの生活用品を提供する象印マホービン。同社では、商品開発から営業活動、アフターフォローの現場までが一体となって「本当に喜ばれるものは何か」を追求し続けている。

 こうした理念を実現するため、事業体制も、サプライチェーンを構成するファンクション(機能)を輪切りにし、本社を含むグループ各社がそれぞれの業務プロセスのオーナーとなる分業体制を採用。グループ全体の経営リソースを最適配分しながら、一本芯の通った経営スタンスをひたむきに貫いている。

 同社のビジネスを支える基幹業務系システムの設計方針にも、この考えは反映されている。システムは、ホスト・コンピュータによる集中処理型とし、本社のある大阪にすべてを集約。機能強化を図りながら、シェアード・サービスの形で各グループ会社が利用する形態を取っているのである。

 「システムを分散しなかったのは、情報化投資の重複を省いて最適化する意味が1つ。それから、グループのコアとなる部分を自社の情報システム部門で開発していくという信念があったからです」と象印マホービンの廣瀬 洋史氏は説明する。

事業継続リスクを最小化する対応策を検討開始

 こうした考えのもと、1993年に構築したシステム「メヌエット」は、製造と販売に関連する各ファンクションが息の合ったコラボレーションを実現できるよう設計・開発された。自社開発にこだわったのは、システム自体が他社との差別化を図るための重要な要素と考え、意思決定のスピードに直結する機能を追求するためだった。

 構築後も、メヌエットは段階的に発展。今日では、受発注処理から会計処理など、同社が行う処理のうち約8割をリアルタイムに遂行できる能力を備えるまで成長した。

 「営業担当者の売上実績もリアルタイムに分かります。決算報告書も毎月の締め日翌日に出力され、役員会議など、意思決定の場で利用されています」と廣瀬氏は語る。また、連動するデータウエアハウスから帳票類を参照することができるため、ペーパーレス化も推進することができた。
 しかし、これほどまでにシステムが強力になると、故障や不具合に見舞われた場合、事業の継続に及ぼすリスクも相当なものになっていた。

 「開発や運用における自営主義のメリットは現場からのニーズに臨機応変に対応できる利点がある一方、災害時の停電対策や物理的な侵入対策などセキュリティ対策が甘くなりがちでした。また、運用ルールが曖昧になり、対応が属人化してしまう懸念もあったのです」と廣瀬氏。そこで同社では、2000年頃から、本格的に対応策の検討を開始した。

■象印マホービンのデータセンター利用イメージ

象印マホービンのデータセンター利用イメージ

 信頼感や高度なノウハウを評価し、これまで自社で運用してきたメヌエットシステムの運用をKS-Solのデータセンターへアウトソース。VPNネットワークなどを活用し、シェアード型で利用している。

豊富な実績・運用スキルによる信頼感でKS Solutionsデータセンターを採用

 解決策として、同社が目を付けたのが、データセンターへの運用アウトソーシングである。いくつかのデータセンターを検討したが、最終的には関電システムソリューションズ(以下、KS-Sol)の運営するデータセンターを選択した。KS-Solのソリューションに着目した理由はいくつかある。

 まず、KS-Solは約40年にわたり、関西電力業務でIBM製メインフレームのシステム運用や監視を担当してきた。その実績と経験に基づく高度かつ確かなスキルは、非常に魅力的だったのだ。オープン系だけでなくメインフレーム系のシステム運用を得意としていたことも、大きなポイントの1つであった。
 「加えて、データセンターのサービス品質や提供される価値の持続的な向上が期待できた点にも注目しました。KS-Solのデータセンターでは、関西電力のコア・ビジネスを支えるシステムを運用している。ということは、ファシリティや運用面の強化に向けて、今後も積極的かつ継続的な投資が行われると考えたのです。その恩恵は、私たちユーザーも享受できるはずですから」と廣瀬氏は強調する。

 ファシリティの堅牢性・信頼性も「想像以上のものでした」(廣瀬氏)。電力という社会インフラを支える設備の収容を前提に、免震装置や耐震設計が施されたコンピュータ専用ビルは、受電設備を二重化。水害を想定し非常用CVCFは2階に、停電時に4日間連続稼働する発電機は屋上に設置されている。また、セキュリティについても万全が期されている。コンピュータルームへの入退室は、ICカードと生体認証で制限することはもちろん、ビルの入退館も24時間365日体制で有人監視を行っている。「センターが大阪市中心部にあり、至便性が非常に良いというのも大きなメリットです。運用開始後のサーバーの更新やパッチ適用の際に、当社の社員が立ち会う際にとても助かっています」と廣瀬氏は話す。
 しかし、こうした点を評価しながらも、最終的にKS-Solのソリューションの採用を決断するまでには、それから3年ほどの時間をかけた。

 「今後、長期にわたって当社の事業インフラを預けるわけですから、今回の決断は結婚に近いものです。ですから、お互いをよく知る恋愛時期を作るために、まずはKS-Solの社員に当社システムの運用を任せ、その間にマナーやスキルを見極めさせてもらいました。その上で『これならば安心できる』と判断し、ゴーサインを出したのです」と廣瀬氏は話す。導入効果が表れるのはこれからだが、すでに24時間監視体制による万全の運用体制によって、6名の情報システム担当者が運用業務から解放され、付加価値の高い開発業務に集中できるようになったという。
 最後に廣瀬氏は、自社システムの発展に向けて、「今後も積極的に様々な提案を持ちかけてほしい」とKS-Solに対する期待を述べた。

■USER PROFILE

象印マホービン本社

象印マホービン株式会社
創  業:1918年 5月10日
設  立:1948年12月29日
資本金:40億2295万円
従業員数:631名(2005年11月20日現在)
炊飯ジャーや電気ポットなど、調理、保存、快適環境、その他に関する製品の製造、販売などの事業を実施。海外での合弁生産や市場開拓にも注力している。一方で「日常生活発想」は、現在でも変わらない。

(「日経コミュニケーション」2006年12月15日号より)

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